子どもが突然嘔吐すると、本当に慌ててしまいますよね。
いざ目の当たりにすると、子どもの対処から衣類や床の処理まで、思うようにいかないものです。

パパ・ママ
嘔吐をしたけど熱はない。受診のタイミングは?
嘔吐をしたときの食事や水分はどうしたら良い?
この記事では、子どもが嘔吐をする主な原因や、すぐに病院へ行くべき目安、そしてお家での正しいケアについて、我が家の体験談を交えながら分かりやすく解説します。
子どもが吐く原因として考えられるもの
子どもは体のつくりや機能が未熟なため、病気でなくても少しの刺激でもすぐに吐いてしまうものです。そのため、「嘔吐=病気=受診」と焦る必要はありません。
まずは、代表的な原因をいくつか知っておきましょう。
感染症などの病気によるもの
- ウイルス性胃腸炎:ノロウイルス、ロタウイルスなど
- 細菌性胃腸炎:カンピロバクター、サルモネラなどによる食中毒
すぐに受診が必要な「こわい病気」
- 腸重積(ちょうじゅうせき)
15分おきなど一定の間隔をあけた腹痛、いちごジャムのようなネバっとした血便が出る。 - 虫垂炎(ちゅうすいえん/盲腸)
お腹を抱えて痛がる、痛みがずっと続いている。 - 髄膜炎(ずいまくえん)
強い頭痛や高熱があり、首を痛がりおへそを覗く姿勢ができない。 - 脳震盪(のうしんとう)
24時間以内に頭を強くぶつけている。 - 熱中症(ねっちゅうしょう)
暑い環境にいて、意識がはっきりしない、強い頭痛やめまいがある。 - 低血糖(ていけっとう)
十分に食べられていないときや、過度に疲れたときに起こりやすい。冷や汗をかく、生あくびが多い、顔色が悪いなどがある。 - アレルギー
新しい食べ物や薬を口にした後に、じんましん、咳、息苦しさなどがある。
その他(日常的な原因)
- 飲み過ぎ、食べ過ぎ
- 激しい咳
- 便秘
- 激しく動いた、お腹を圧迫した
- 車酔い
お家での観察のポイント
病院に行くべきか迷ったら、まずは以下のポイントを落ち着いて観察しましょう。
・元気があるか、機嫌は良いか
・水分がとれるか
・発熱・下痢・腹痛など嘔吐以外の症状を伴っているか
・いつから・何回くらい吐いているか
・吐いたものの色や内容物(血液や緑色の液が混ざっていないか)
病院に行くべき?受診の目安
様子をみても問題ないケース
いつもより食べる量は少なくても、水分が摂れていて元気があれば、少し様子を見てからの受診(診療時間内など)で大丈夫です。
また、「一気に食べ過ぎた」「咳と一緒に吐いた」など、原因がはっきりしていて1〜2回で治まる場合は、過度に心配する必要はありません。
すぐに受診が必要なケース
以下のような症状が見られる場合は、夜間や休日でも早めの受診を検討してください。
元気がなくグッタリしている
いつものように遊ばず、顔色や唇の色が悪いとき。
繰り返し嘔吐し、水分が全く摂れない
吐き気が治らず、水分が全く摂れないとき。6時間以上繰り返し嘔吐しているとき。
嘔吐以外の症状が強く出ている
38度以上の高熱、激しい腹痛、血便、じんましん、咳などを伴っているとき。
黄緑〜緑色のものを吐く
何度も吐いていると胃の中が空っぽになり、黄色〜緑色の胆汁を吐くようになります。ここまでくると、子どもの負担が大きいだけでなく、お家でのケアだけでは体調が戻りづらいです。
また、吐いたものが緑色の場合は腸閉塞(ちょうへいそく)の可能性が考えられます。
24時間以内に頭をぶつけている
頭をぶつけた直後は元気でも、数時間後に症状が出る(繰り返し吐く)ことがあります。
特に、1歳以下で90cm以上、2歳以上で150cm以上の高さから転落して頭を打った場合は注意が必要です。
食中毒の可能性がある
同じ食事を食べた家族や周囲の人が、同時期に38度以上の発熱、嘔吐、下痢を発症しているとき。
毎日1〜2回吐く、何日も吐く
少量の嘔吐で水分が摂れていても、2日以上続く嘔吐は病気が隠れている可能性があります。
強い脱水の症状がみられる
泣いても涙がでない、唇や口の中が乾く、皮膚が青白い、おしっこが12時間以上出ていない、ぼーっとしているなどの症状があるとき。
子どもが吐いたとき、どうしたら良い?
突然の嘔吐に直面すると「どこから手をつければいいの?」とパニックになりますよね。
まずは以下の順番で対応しましょう!
何より最優先!「子どものケア」
吐いたものの匂いで再び気持ち悪くなることがあるため、まずはうがいをさせるか、濡らしたガーゼなどで口の中をきれいに拭いてあげましょう。衣類が汚れていれば着替えさせます。
吐き気がいったん落ち着いたら、枕や丸めたバスタオルを背中に当てて「横向き」で寝かせます。特に乳幼児は仰向けに寝かせると、吐いたものが気管に詰まって窒息する可能性があるため、必ず大人の目が届くところで休ませてください。
🏠我が家の体験談
感染予防のため、まずは不要なタオルや使い捨て防水シーツをサッと吐いたものの上に被せてしまいます。また、汚れた衣類は大きなゴミ袋に入れて密封しておきます。
こうすることで、周囲への広がりや匂いを防ぎつつ、まずは子どものケアに集中できます。子どもの状態がいったん落ち着いたら、処理をしましょう。
感染を広げない!「正しい片付け方」
感染性の胃腸炎(ノロウイルスなど)は、吐いたものの中に大量のウイルスが含まれています。正しい処理で、家族への感染の拡大を防ぎましょう。
吐いたものの処理と汚れた衣類の消毒手順

消毒液の作り方は下の表を参考にしてください。
| 用途 目標濃度 | 消毒液を作るときの目安 ハイター(原液濃度約6%) | 消毒液を作るときの目安 ミルトン(原液濃度約1%) |
| 吐いたものが付着したもの (床や衣類のつけおき) 0.1% | 水3L+ハイター50ml (500mlボトルなら:ペットボトルキャップ1杯半弱) | 水3L+ミルトン300ml (500mlボトルなら:ミルトンキャップ2杯) |
| 食器・ドアノブ(拭き取り) 0.02% | 水3L+ハイター10ml (500mlボトルなら:ペットボトルキャップ半分より少なめ) | 水3L+ミルトン60ml (500mlボトルなら:ミルトンキャップ2/5杯) |
- ペットボトルキャップは1杯約5mlです。
- ミルトンキャップは1杯約25mlです。

吐いたものがついた衣類やシーツをハイター液につけたら、色落ちしてまうことがほとんどした…。
なので我が家では、お風呂場でバケツに熱湯(85度以上)を注いで1分間つける「熱湯消毒」をしています。色落ちもしないし、ウイルスもしっかりやっつけられるので、個人的にはこれが一番おすすめの安心できる方法です。
ただし、やけどには注意してくださいね!
消毒液は時間が経つと効果が薄れるため、作り置きはせず、なるべく早めに使い切りましょう。長くても「その日のうち(24時間以内)」に使い切るか、残ったものは破棄してくださいね。
焦らないための備え!我が家の「嘔吐セット」

我が家では突然の嘔吐に備えて、以下のアイテムを一箇所にまとめて用意しています。これがあるだけで、いざという時の安心感が全然違いますよ!
- 大きいゴミ袋
汚れた衣類やシーツをいったん入れておいたり、そのままゴミ袋として使用したりします。大きめのサイズが使いやすくて便利です。 - 使い捨て手袋
箱ごとの用意とは別に、あらかじめ2枚重ねにしたものを2セット作っています。こうしておくと、いざというときにサッと手にはめられるだけでなく、汚れたら上の1枚を脱ぐだけで、すぐに綺麗な状態で作業を再開できます。 - マスク
片付けのときに着用します。吐いたものを拭き取るときに飛び散ったり、乾燥して目に見えない細かい粒子が舞い上がったりすることがあるため、口や鼻からウイルスが体内に入るのを防ぎます。 - キッチンペーパー
吐いたものを拭き取るときに使います。ロールタイプ(ぐるぐる巻いてあるもの)は両手を使わないと破けないため、片手でサッと引き抜けるポップアップ(ボックス)タイプを用意しておくとスムーズです。 - 使い捨て防水シーツ
吐いたものの上に一時的に被せたり、布団の上に敷いて次の嘔吐に備えたりします。ホームセンターなどで購入できます。 - 紙袋+ビニール袋(即席エチケット袋)
次の嘔吐に備えて、子どもにサッと手渡せるようにセットしています。使用後は紙袋ごと処分できるので楽ちんです。
※小さいお子さんで紙袋が持ちにくい場合は、あらかじめ洗面器にビニール袋をかけたものを用意しておく方が安心です。 - 不要なタオル(使い捨て用)
小さいものは汚れた口や手を拭く用に、大きいバスタオルは吐いたものの上に一時的に被せるだけでなく、枕元に敷く用とします。汚れたらそのまま破棄できる、処分して良いものを用意しておきます。 - 市販の除菌スプレー
ハイターやミルトンで作る消毒液は作り置きができないため、ドアノブなどの環境消毒や、「感染性か分からないけれど、念のため消毒しておきたい」というときに、市販のスプレーがあると手軽で重宝します。
⚠️市販の除菌スプレーにもさまざまな種類がありますが、感染性胃腸炎対策としては、厚生労働省などでも推奨されている『次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなど)を適切な濃度に薄めた消毒液』が基本です。 - 紙コップ
洗面所まで歩くのがつらいときや、感染予防を徹底したい場合に、その場でうがいをさせるために使います。ビニール袋にペッと吐き出してもらい、紙コップごとそのまま処分します。
⚠️うがいのとき思いっきりペッと吐き出すと、周りに飛び散り感染拡大のリスクが高くなります。ある程度大きいお子さんには、「静かにペッとしてね」と声をかけると良いでしょう。

手順をたくさん解説しましたが、現実には手袋をする余裕がなかったり、自分も汚れてしまったりすることもありますよね。
そんなときは、まず「手洗い」だけは石鹸を使ってしっかり30秒〜1分行うことを意識してください。(爪の間や手首までしっかり洗い流すのがコツです!)
その際、使用するタオルは必ず家族と分けるようにしましょう。
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脱水を防ぐ!「水分の飲ませ方」
嘔吐で一番怖いのは「脱水症」です。ただし、水分の飲ませ方にはコツがあります。
吐いた直後には飲ませない
脱水が怖いからといって、吐いた直後や吐き気が強い時に水分を飲ませると、喉や胃が刺激されて再び嘔吐が起きやすくなります。これでは逆効果です。
吐いてから30分は無理に飲ませず、胃を休めてあげましょう。
最初の水分補給は「少量ずつ」
吐き気が落ち着いたら、まずはごく少量から試して、大丈夫そうであれば徐々に量を増やしていきます。

飲み物は「糖分」を意識する
嘔吐の後は、水分だけでなく塩分や糖分も失われています。
体内の糖分が少なくなると、「ケトン体」という吐き気を強める物質が作られてしまうため、飲み物は塩分だけでなく糖分も意識しましょう。
【おすすめ】
体への吸収が良い経口補水液(OS-1や乳幼児用イオン飲料など)。
【嫌がる場合】
りんごジュースやスポーツ飲料など、少し糖分のあるものをすすめてみてください。
⚠️オレンジジュースなどの柑橘系、牛乳、炭酸飲料は吐き気を増強させることがあるので避けてください。
授乳中のお子さんは、はじめは白湯を少量からスタートし、落ち着いたら母乳はいつも通りに、ミルクはやや少なめから始めてみてください。ミルクを薄める必要はありません。
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いつからOK?「食事再開のタイミング」
胃に食べ物がたまると再び嘔吐しやすくなるため、吐き気があるうちは食事はお休みします(離乳食も同様です)。
固形物は、しっかり嘔吐がおさまってから半日ほど経ち、本人が食べたがってからで大丈夫です。ただし、乳製品や油っぽいもの、柑橘類は避けましょう。
🏠我が家の体験談
吐かずに水分補給ができるようになったら、まずはゼリー飲料やうどんなどを少量から食べさせています。本人が食事を食べたがらないうちは無理にすすめず、「こまめな水分補給」だけで乗り切っています。
その際、低血糖(冷や汗、顔色が悪い、あくびをたくさんするなど)には気をつけるようにしています。もし低血糖の症状があれば、すぐに受診しましょう。
まとめ
突然の嘔吐は驚いてしまいますが、まずは落ち着いて以下のポイントを確認しましょう。
子どもが吐いたら確認したい4つのポイント
【1.まずは子どもの様子を観察】
- 活気・水分・嘔吐以外の症状・吐いた時間と回数・吐いたものの色や内容物をチェック。
【2.受診の目安】
- 水分がとれていて元気なら、あわてず診療時間内の受診でOK。
- ぐったり・水分が飲めない・嘔吐以外の症状強い・黄緑〜緑色の嘔吐・頭を打った後・食中毒の可能性・毎日吐く・脱水症状などは、夜間・休日でもすぐに受診を!
【3.お家でのファーストケア】
- まずは口をゆすぎ、小さなお子さんは窒息を防ぐために「横向き」で寝かせる。
- 吐いた後30分は何も飲ませず、胃を休める。
- 落ち着いたら経口補水液などを「スプーン1杯」など少量からスタート。
- 食事は無理に食べさせなくてもOK。水分補給を優先し、低血糖には気をつけて。
【4.二次感染を防ぐ片付け】
- 床や衣類は、次亜塩素酸ナトリウムで消毒。
- 処理の後は、石鹸を使って30秒〜1分しっかり手洗い。
受診に迷ったらどうする?
ホームケアの方法は分かったけれど、

パパ・ママ
やっぱりうちの子、いつもと違って心配…
今すぐ病院に行くべき?
と、受診のタイミングに迷うこともありますよね。
平日の昼間など、いつもの小児科が開いている時間であれば、事前に電話して問い合わせてみても良いでしょう。
問題なのは、病院が閉まっている夜間や休日です。
別の記事で、「休日や夜間に相談できる窓口」や「受診の目安が分かる症状別チェックリスト」について詳しく解説しています。ぜひ合わせて読んでみてくださいね。
【参考文献】
- 草川功『そんなときどうする?子どもの病気SOS』、マガジンハウス、2017年
- 竹綱庸仁『行列のできる子ども健康相談室0〜10歳児の病気とケガのおうちケア』、KADOKAWA、2023年
- 筑紫悠『パパ・ママが自宅でできる 子どもの病気とはじめてのホームケア』、総合法令出版、2025年
- 野村さちい『子どもの病気・救急ぜったい「これ知ってて!」』、日東書院、2024年
- 日本外来小児科学会『ママ&パパにつたえたい 子どもの病気ホームケアガイド』、医歯薬出版株式会社、2026年
- 渋谷紀子『はじめてのママ&パパの0〜6歳病気とホームケア』、主婦の友社、2024年
- 厚生労働省「ノロウイルスリーフレット2」https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/iken/dl/140304-s.pdf


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